ECLOGA U-16 IN 奈良 2026

 ECLOGA U-18 IN埼玉 2026が8月12、14の両日、埼玉県加須市のSFAフットボールセンターで開催された。強豪チームを誘致して強化と交流を図り、開催地域への普及とレベル向上が目的。昌平(埼玉)、静岡学園(静岡)神村学園(鹿児島)といういずれも全国高校総体(インターハイ)優勝校にJ3奈良クラブユース の4チームが参加して行われ、2戦全勝の静岡学園が初の埼玉開催を制し、昌平は3位だった。

 昌平が急速に力を付け、短期間のうちに埼玉の盟主になれた要因はふたつある。2007年に東和大昌平から校名を変え、青森山田中サッカー部監督、青森山田高コーチの藤島崇之氏を指導者に招いたこと。もうひとつは中学生年代の街クラブ、FC LAVIDAを12年に創設し、昌平の下部組織として中高一貫の6年体制で指導を始めたことだ。

 08年から強化をスタートさせ、11年には人工芝グラウンドも完成した。個のスキルを前面に押し出し、ドリブルと短いパスを主体にした魅力的な攻撃スタイルを完成。14年度の第93回全国高校サッカー選手権に初出場すると、前年度の第104回大会までに7度の出場を果たした。最高成績は第98、99、102回大会の8強で、これまで21人のプロ選手を輩出した。

 全国高校総体(インターハイ)には今夏で7度出場し、24年には悲願の初優勝を飾った。埼玉県勢としても51年ぶりの頂点。指揮を執ったのが元日本代表FW玉田圭司で、藤島氏の習志野(千葉)時代の同僚だ。

 昨春からは藤島氏の順天堂大の先輩、芦田徹監督を招請。市立長野(長野)を率いて全国高校選手権に1度、インターハイにも2度導いた指導者だ。

 今夏のインターハイは初戦の2回戦で、MF長谷川昂星(2年)が決勝点を挙げ高知中央(高知)に1-0と辛勝。しかし3回戦ではシュート数で上回りながら、準優勝した近大附(大阪)に1-2で競り負け、ベスト8を逃した。

 芦田監督は「失点すれば試合は難しくなるわけで、まだまだ安易な失点がありチーム全体の力不足も感じました」と、前半30分までに2点を先行された近大附戦の失点を悔やんだ。ただ初戦は硬さが見られたが、3回戦は落ち着いて随所にいいアタックを出したと一定の評価を下す。

 今回は2試合しか経験できなかったが、収穫について指揮官は「初戦で出場機会のなかった選手を3回戦で起用したら、アグレッシブに躍動してくれました」と振り返る。

 3回戦の先発メンバーは2回戦からふたりが変わり、U-16日本代表FWオツコロ海桜(1年)とMF播磨隼佑(2年)が送り出された。

 インターハイ後は1週間の休養日を挟み、4日間練習してECLOGA U-18 IN埼玉に参加。初日は前年度の第104回全国高校選手権で初優勝を遂げた神村学園と顔を合わせた。24年と25年のインターハイ王者同士の決戦でもある。

 両校は全国の舞台で過去に何度か対戦。昌平は第96回全国高校選手権2回戦で神村学園に0-1で敗れたが、24年のインターハイ決勝では2度先行されながら、試合終了間際に決勝点を奪って3-2で勝った。昨年3月のJヴィレッジカップでは1-4の完敗を喫した。

 ECLOGA U-18 IN埼玉では、右2列目でプレーすることの多かった主将のMF飯島碧大(3年)をボランチで起用し、前線はU-17日本代表FW立野京弥(2年)とオツコロが2トップを形成。インターハイ2回戦と同じ形だ。

 前半24分、オツコロが相手GKのミスを突いて先制点。34分にCKから失点し、前半を1-1で折り返した。後半は序盤から攻勢に出た昌平が主導権を握ったが、決定機を決められず27分に右クロスから決勝点を奪われての逆転負け。

 2日目は悪天候により静岡学園戦が中止となり、最終日は立野とオツコロがともに2点を挙げるなどして奈良クラブに5-0で快勝した。

 芦田監督は2トップについて「京弥と海桜が同時に先発する時は2トップ仕様が多くなり、1トップ・トップ下という形もあると思います。いずれにしても組み合わせと相手の状況によります」と説明。飯島がボランチでプレーする利点を尋ねると「キープ力があるのでボールの流れに変化が出るし、ドリブルでリズムをつくることもできますね」とうなずきながら答えた。

 インターハイの近大附戦と神村学園戦での敗戦を通じ、どんな課題が浮き彫りになり、9月5日に後半戦が始まる高円宮杯プレミアリーグEASTにつながるものは何か? 飯島は「近大附にも神村学園にも押し込めたのに点が入らなかった。神村戦の失点にしても結局は甘さです。攻撃は最後の詰めの甘さ、守備ではイージーミスからの失点。このふたつを克服しないといけません。パスをつなぐのもいいけど、それだけにこだわらず柔軟にプレーすることも大切」と主将らしい言葉で締めくくった。

 プレミアリーグは前半戦を終えて勝ち点10の9位。14得点は12チームの中で3番目に少なく、24失点は3番目に多い。昌平は攻撃ばかりに耳目が集まるが、堅陣こそ強さの背景。「いい守備からいい攻撃へ」とよく言うが、今はそれができていないから勝ち点が伸び悩んでいる。

 昨季終盤はボランチで、今季は左右のSBをこなす髙見澤光(3年)は「1対1で負けず、組織でどう守るか。全員がこれに向き合って改善しようとすれば、もっと良くなると思う。攻める時間が長くても守備でやられてはいけない」と今、昌平が抱える一番の宿題を指摘した。197センチのGK土渕璃久(3年)は「プレミアでの失点の半数がセットプレーから。後半戦はこれを減らし、点を取られてもラインを下げずに戦いたい」と話した。

 チームは今大会で何を吸収したのか。芦田監督は「夕刻からのいい環境の中、国内最高レベルのチームとしっかりファイトできました。選手が自分たちで考え準備して戦えたことは、再開するプレミアに向けて有意義な大会になりました」と述べ、到来する秋のシーズンを見据えた。       

(文・写真=河野正)

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